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手動マーチャンダイジングとAIレコメンドの賢い役割分担プレイブック

特集ページは手動キュレーション、PDPとカートはAIレコメンド——この役割分担が、多くのECで現実的かつ効果的な落としどころです。本プレイブックでは、手動マーチャンダイジングとAIレコメンドの違いを整理し、「どの場所をどちらに任せるか」をShopifyストア前提で具体的に解説します。

手動キュレーションエリアとAIレコメンドエリアを対比したECサイト構成のイメージ図
AI generated (gpt-image-1)

結論:世界観は手動キュレーション、売上導線はAIに任せる

ストア全体の方針としては、次のような分担がおすすめです。

  • トップ・特集・キャンペーンページ:手動キュレーションで世界観と打ち出しを作る
  • 商品詳細ページ(PDP)・カート・チェックアウト前:AIレコメンドで関連・アップセル・クロスセルを最適化する
  • ホーム下部・ブログ記事下・404ページなど:AIをベースに、必要に応じて一部を手動でピン留めして調整する

つまり「お客様に何を見せたいか(ブランドの意図)」は手動、「お客様が何を買いそうか(行動データにもとづく予測)」はAIに任せるのが基本線です。以下では、両者の違いと、ページ別の使い分け方を整理します。

手動マーチャンダイジングを使うべき場所と得意な役割

まず、手動キュレーション=人が意図して商品を並べる方法の強みと、向いている場所です。

  • トップページのメインビジュアル直下:新作・シーズン特集・セールなど、「今何を推したいか」を明確に出したい場所
  • 特集コレクションページ:スタイル提案(例:春の通勤コーデ)、用途提案(例:ギフト特集)など、物語性のある提案をするページ
  • ブランドストーリー性の高いページ:コラボ企画、期間限定キャンペーン、数量限定販売など、ストーリーが重要なページ
  • 広告流入ランディングページ:広告の訴求内容ときちんと一致させたいとき

手動マーチャンダイジングが得意なのは、次のようなケースです。

  • 世界観・ストーリーを表現したい:シーズンテーマやブランドの価値観をビジュアル+商品で伝えたい
  • 在庫状況にかかわらず推したい商品がある:新カテゴリ、粗利の高い商品、レビューが強い商品など
  • コンプライアンスや表現上の配慮が必要:表示してよい商品を限定したい場合

一方で、手動管理だけで全ページをカバーしようとすると、更新頻度が落ちて「古い特集がずっと残る」「在庫切れ商品が平気で並び続ける」などの問題が起きやすくなります。そこで、トラフィックの多い導線部分ほど、AIと組み合わせて負荷を減らすのが現実的です。

AIレコメンドを使うべき場所と得意な役割

AIレコメンドは、「ユーザーの行動や商品の類似性にもとづいて、買われやすい商品を自動で出す」ことが得意です。とくに次の場所では、手動よりAIを優先したほうが成果が出やすくなります。

  • 商品詳細ページ(PDP)の下部:閲覧中の商品に対するAI類似商品AI関連商品一緒に買われる商品など
  • カートページ・ドロワーカートカート内アイテムに関連するAIクロスセル(セット買い・ついで買いの提案)
  • 注文確認前(チェックアウト前のアップセル領域):単価アップのためのAIレコメンド(Shopifyのチェックアウト拡張を利用している場合)
  • 404ページや検索結果ゼロ時:お詫びとともに「あなた向けのおすすめ商品」をAIで表示して離脱を防ぐ

AIレコメンドが特に有利なのは次のようなポイントです。

  • 在庫・価格・売れ筋の変化に自動で追従する:売り切れ商品が推され続けるリスクを減らせる
  • ユーザーごとに最適化できる:同じPDPでも、閲覧履歴やカート状況に応じて違う商品を出し分けられる
  • 長期的な「よく一緒に買われる」パターンを学習する:人が気づきにくい組み合わせ(想定外のセット買い)を拾える
  • 運営コストが低い:手動調整は必要最低限にし、基本は自動更新に任せられる

この性質から、AIは「購入導線の後半」ほど相性がよくなります。すでに何かしら商品に興味を持っているユーザーに対し、「次にこれもどうですか?」と行動データに基づいて出し分けられるためです。

ページ別:手動キュレーションとAIの具体的な切り分け方

ページ上部を手動キュレーション、下部をAIレコメンドに分けた構成イメージ

ここからは、代表的なページごとに「どこまで手動」「どこからAI」がよいかの目安を整理します。

  • トップページ
    - ファーストビュー〜メイン特集:手動キュレーション(新作・セール・ブランドストーリーなどを明示)
    - ページ中段の「人気商品」「最近チェックした商品」:AIレコメンド(ランキングやパーソナライズ)
    - フッター付近:「あなたにおすすめ」:AIベース+必要なら一部を手動ピン留め
  • 特集ページ(キャンペーン・コレクションページ)
    - ページ上部:手動で構成(キービジュアル・リード文・推し商品の並び順)
    - ページ下部:「この特集と一緒に見られている商品」「最近チェックした商品」などをAIに任せて回遊を促進
  • 商品詳細ページ(PDP)
    - メイン商品・バリエーション・商品説明:手動(当然ながら運営側が完全管理)
    - 商品説明直下:「この商品と相性の良い商品」=AIクロスセル
    - ページ下部:「他のユーザーがよく一緒に閲覧している商品」=AI類似商品/「最近チェックした商品」
  • カート・ドロワーカート
    - カート内リスト・小計表示:テーマ側の標準挙動(手動設定)
    - 小計のすぐ下:「カートの商品に合わせたおすすめ」=カート内AIレコメンド(ついで買い・セット買いを提案)
  • ブログ記事・コンテンツページ
    - 記事本文中に登場させる商品:手動(内容と完全に紐づける)
    - 記事下部:「この記事を読んだ人におすすめの商品」=AI(閲覧履歴ベース)

イメージとしては、「ファーストビューとページ上部の数ブロックは手動で作り込み、ページ下部やサイドのブロックはAIに任せる」という構造にしておくと、世界観と効率のバランスを取りやすくなります。

いつどちらを優先すべきか:判断のチェックリスト

手動とAIのどちらを優先するか迷ったときは、次の3つの観点で判断すると整理しやすくなります。

  • 1. この場所は「世界観重視」か「成果重視」か?
    - 世界観重視(ブランド認知、ストーリー訴求):手動キュレーションを優先
    - 成果重視(CVR・客単価・在庫消化):AIレコメンドを優先
  • 2. 表示ロジックを人が維持できるか?
    - 週1回でも更新が難しい:AIベースにして、どうしても必要な箇所だけピン留めで手動調整
    - 少数の目玉商品のみで構成できる:手動でも維持しやすいので、人が全部決めてもよい
  • 3. ユーザーごとに内容を変える意味があるか?
    - 全ユーザーに同じものを見せたい:ブランドのメッセージングが目的なら手動
    - ユーザーやタイミングで「適切な商品」が変わる:AIパーソナライズを活かすべき領域

こうした基準で見直すと、「なんとなく手動で並べてきたけれど、ここはAIのほうが良さそう」「逆にここはAIに任せるとブランドらしさが薄れる」といった判断がしやすくなります。

RecoBoostでの次の一歩

RecoBoost を使って「特集ページは手動、PDPとカートはAI」という役割分担を実装する場合の進め方です。

  • Shopify管理画面の「アプリ」からRecoBoostを開き、PDP用のレコメンドブロックを作成する:ロジックにAI類似商品一緒に買われる商品を選び、表示数(例:4件など)を設定します。
  • テーマエディタの「オンラインストア」 → 「テーマ」 → カスタマイズ を開き、PDPテンプレートにRecoBoostブロックを追加するセクションを追加から RecoBoost ブロックを挿入し、「商品説明の下」などに配置します。
  • 同様にカートテンプレート(ドロワーカート含む)にもRecoBoostブロックを追加し、ロジックでカート関連AIレコメンドを選ぶ:小計のすぐ下に置くと、ついで買いが入りやすくなります。
  • トップ・特集ページは既存の手動コレクションやセクション構成を維持しつつ、ページ下部にRecoBoostの「あなたへのおすすめ」を1ブロック追加する:ロジックはAIパーソナライズを選び、手動構成を妨げない程度の位置に配置します。

このように、まずは「PDPとカートはAI」「トップと特集は手動+下部だけAI」という切り分けから始めると、運営負荷を増やさずにAIの効果を試しやすくなります。

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