実践
今日からできるレコメンド除外ルール設計ガイド(在庫切れ・ギフトカード・ノイズ商品の整理)
在庫切れ商品やギフトカード、低単価・ノイズ商品をレコメンドから外したいときの「やっていい除外・やってはいけない除外」の線引きを、今日すぐ作れるルールとして整理します。

リード:除外ルールは「最小限+再確認」が正解です
レコメンドの除外は「邪魔な商品を消す作業」ではなく、「売上を守りつつノイズを減らすチューニング」です。やり過ぎると、CVRやアップセル率の計測が壊れたり、学習精度が落ちてしまいます。
まずは次の3つだけを優先して除外します。
- 在庫切れ・販売停止商品
- ギフトカードなど、カート価値を歪める特殊商品
- 低単価・ノイズ商品
このプレイブックでは、Shopifyストアで今日から導入できる除外ルールの作り方と、計測を壊さないための注意点を手順としてまとめます。
前提整理:何を除外してよくて、何を除外しすぎてはいけないか
- 在庫切れ・販売終了商品:
- レコメンドに出しても買えないので、基本的に除外して問題ありません。
- ただし「予約販売」「再入荷予定あり」など、あえて見せたいケースは例外設定にします。 - ギフトカード・回数券などの特殊商品:
- AOV(客単価)や購入点数の計測を歪めやすいため、通常のレコメンドからは原則除外が安全です。
- ギフト向けLPなど、専用の文脈でのみ出す、という分離が理想です。 - 低単価・ノイズ商品(100円サンプル、交換用パーツなど):
- レコメンド枠を占有しても売上インパクトが小さく、クリック率も下がりがちです。
- 一定の価格ラインやコレクション単位で除外するのが扱いやすいです。 - 除外しすぎに注意したいもの:
- 売れ筋だけに絞ろうとして、在庫のある関連商品を大量に除外すると、
- レコメンド候補が足りなくなり、同じ商品ばかり表示される
- ABテストで「表示パターンの差」がなくなり、検証が成立しない
- 除外ルールは「シンプル+少数」に留めるのがおすすめです。
方針:
- まずは「確実に出したくないもの」だけを除外
- 影響が読みにくい条件(特定ブランド・特定タグなど)は、データを見ながら後から検討
- 除外したら、翌日〜1週間の数字を必ず確認する
手順:在庫切れ・ギフトカード・ノイズを除外する設定フロー

- Shopify管理画面 → 商品で「除外したい対象」を棚卸しする
- 商品 画面で フィルター を使い、
- 在庫状況 で「在庫なし」を絞り込み
- 「ギフトカード」「チケット」「サンプル」など、自社特有のノイズ商品を検索
- 除外候補の商品に共通する特徴(価格帯・商品タイプ・タグ・コレクション)を書き出します。 - ギフトカード・ノイズ商品に専用タグを付ける
- 商品 → 該当商品を開き、タグ に例えば exclude-recommend や giftcard などのタグを追加します。
- 今後追加される同種商品にも、同じタグを必ず付ける運用ルールをメモしておきます(運営マニュアルや商品登録チェックリストに追記)。 - 在庫切れ・販売終了商品の条件を決める
- 「在庫が0になった瞬間に除外する」のか、「一定期間売れていなければ除外する」のかを決めます。
- シンプルに始めたい場合は、在庫が0のバリアントを除外 するルールからスタートするのが安全です。 - レコメンドアプリ側の除外設定(ルール)画面を開く
- 使用中のレコメンドアプリで、ルール設定 や 表示制御 に相当する画面を開きます。
- 代表的には、
- 「特定タグを含む商品を除外」
- 「価格〇〇円未満の商品を除外」
- 「在庫数が0の商品を除外」
などの条件を組み合わせるイメージです。 - タグによる除外ルールを追加する
- ルール作成画面で、条件として 商品タグ を選択します。
- 「タグに exclude-recommend を含む商品を除外」のように設定します。
- ギフトカード専用タグを分けている場合は、「タグに giftcard を含む商品を除外」も追加します。 - 価格による低単価商品の除外ルールを追加する
- 同じくルール作成画面で、条件として 価格 を選びます。
- 「販売価格が ○○円未満の商品を除外」と設定します。
- 最初は売上構成比を見ながら、無理のないライン(例:送料より安いものなど)から試すと安全です。 - 在庫切れ商品の除外ルールを追加する
- 条件として 在庫数 または 在庫状況 を選びます。
- 「在庫数が0の商品を除外」または「在庫状況=在庫切れを除外」に設定します。
- 予約販売や再入荷強化商品がある場合は、それらに別タグ(recommend-keep など)を付け、
- 「在庫0は除外」
- ただし「タグ recommend-keep を含む商品は除く」
のように例外条件を足します。 - テスト環境または限定ページで表示を確認する
- ステージングテーマやパスワード保護中のテストページがあれば、
- 該当ページにレコメンドブロックを設置
- 除外タグ・除外価格帯の商品が出ていないか確認
- テスト環境がない場合は、公開テーマで一時的に 非公開コレクション にレコメンドを置いて、内部だけで確認します。 - 導入後1週間はレコメンド経由売上・クリック率を確認する
- レコメンドアプリのレポートで、
- 表示回数
- クリック率
- レコメンド経由売上
を除外前と比較します(可能なら前週比)。
- 数字が大きく落ちた箇所があれば、低単価の除外ラインや対象タグを見直し、ルールを1つずつ緩めて再計測します。
配置とルール設計のコツ:枠ごとに「出したいもの」を決めてから除外する
除外ルールは「全ページ一括で設定して終わり」にしがちですが、レコメンド枠の位置によって、適切な除外条件が変わります。
- 商品ページの「この商品を見た人は〜」には、似ている在庫あり商品を優先
- ゴール:迷っている人に「より自分に合う候補」を出す。
- ここでは、在庫切れ・ギフトカード・ノイズ商品は強めに除外して問題ありません。 - カートページの「一緒によく買われる」には、購入補完商品を残す
- ゴール:セット買い・アップセルを作る。
- 低単価でも「一緒に買うと便利」な商品(例:アクセサリー、替えフィルターなど)は、除外しすぎない方が良い場合があります。
- そのため、
- グローバルな「価格○○円未満を除外」は弱めに
- 代わりに「ノイズタグ付き商品を除外」を優先
するなど、枠ごとにバランスを変えます。 - トップページやコレクション下部のレコメンドは「新規ユーザー向け」に調整
- ゴール:ストア全体の魅力をざっくり伝えること。
- 在庫切れとギフトカードは外しつつ、低単価商品もある程度は残して「価格帯の幅」を見せます。 - 枠ごとに「絶対NG」と「できれば除外」を分けて考える
- 絶対NG:在庫切れ・販売終了商品、ギフトカード(通常文脈では)
- できれば除外:低単価・コスパの悪いノイズ商品
- アプリ側で枠単位のルールが設定できる場合は、
- 絶対NG条件=全枠共通
- できれば除外条件=枠ごとに微調整
という設計にすると、計測への悪影響を抑えられます。
よくある失敗と、計測を壊さないためのチェックポイント
- 失敗1:条件を盛り込みすぎて、表示候補が足りなくなる
- ブランド・コレクション・タグ・価格・在庫…と除外条件を重ねると、候補がほぼゼロになることがあります。
- 症状:同じ商品ばかり出る、レコメンド枠が空白になる、クリック率が急落する。
- 対策:
- ルールを1つずつON/OFFして影響を見る
- 「タグ除外」「在庫0除外」など、根拠の明確な2〜3条件から始める。 - 失敗2:ABテスト中にルールを変えてしまう
- テスト途中で除外条件をいじると、前半・後半で別条件を比べてしまい、結果が解釈できなくなります。
- 対策:
- ABテスト期間中は除外ルールを固定
- 変更が必要な場合は、テストを中断して「テスト前」「テスト後」で期間を分けて評価する。 - 失敗3:ギフトカードを残したままレコメンドを評価してしまう
- ギフトカードが一度大きく売れると、平均注文額やレコメンド経由売上が一気に跳ねます。
- これを「レコメンドが良くなった」と誤解し、判断を誤るケースがあります。
- 対策:
- ギフトカードは原則、レコメンドから除外
- どうしても出したい場合は、ギフトカード専用の枠やページを作る。 - チェックポイント:除外ルールを入れたら必ず見る数字
- レコメンド枠の 表示回数:候補不足で減っていないか
- クリック率(CTR):ノイズ除外で改善しているか
- レコメンド経由の売上比率:大きく落ちていないか
- これらを1週間〜1か月単位で追い、問題がなければ次の微調整に進む、というサイクルにします。
RecoBoostでの次の一歩:除外タグと在庫条件をテンプレ化する
RecoBoost をお使いの場合は、この記事の内容をそのままテンプレとして設定できます。
- Shopify管理画面 → アプリ → RecoBoost を開く
- 左メニューから レコメンド設定 を開きます。 - 共通の除外ルールで「ギフトカード・ノイズ」を外す
- 共通ルール もしくは各ウィジェットの 表示ルール で、
- 「商品タグに exclude-recommend を含む商品を除外」
- 「商品タグに giftcard を含む商品を除外」
を追加します。 - 在庫切れ商品の除外をONにする
- 同じ画面で 在庫条件 を 在庫ありのみ表示 に設定します。
- 予約販売などで表示したい商品がある場合は、その商品に recommend-keep などのタグを付け、
- 「在庫0除外」
- かつ「タグ recommend-keep は除外しない」
という条件を追加します。 - ウィジェットごとに「低単価除外」の有無を変える
- ウィジェット管理 から、
- 商品ページ用ウィジェットには「価格○○円未満を除外」
- カート用ウィジェットには価格除外を弱める/外す
といった微調整が可能です。 - レポート画面で除外前後の変化を確認する
- レポート から、ウィジェットごとの表示回数・クリック率・売上を確認します。
- 除外ルールごとに期間を区切って比較し、問題なければルールを固定化し、次の改善(ロジックの切り替えなど)に進みます。
