Shopifyのアップセル・クロスセル完全ガイド|客単価を上げる配置・ロジック・計測
アップセル・クロスセルは「どこに・何を・どう測るか」を決めれば迷いません。配置・ロジック・計測・アプリ選びの順に、詳しい手順記事への道案内つきで全体像をまとめました。

Shopifyでアップセル・クロスセルを始めようとすると、「どのページに置くか」「どのロジックを選ぶか」「効果をどう測るか」「どのアプリを使うか」が一度に押し寄せます。このガイドではこの4つを順番に整理し、テーマごとに詳しい手順を書いた記事・プレイブックへの道案内をまとめました。最初から全部やる必要はありません。上から順に、自分のストアに当てはまるところだけ拾ってください。
アップセルとクロスセルの違い
- アップセル:検討中の商品の上位版・大容量版・セット版に切り替えてもらう提案です。例:500mlボトル → 1Lボトル、単品 → 3本セット。
- クロスセル:検討中の商品と一緒に使うものを追加してもらう提案です。例:カメラ → SDカード、ワンピース → カーディガン。
どちらも客単価(AOV)を上げる手段ですが、効く場所が違います。アップセルは購入を決める前の商品ページで、クロスセルは買う物が決まったあとのカートや購入後で効きやすい、と覚えておくと配置を決めやすくなります。
押し売りに見えるかどうかは、お客様の目的に沿っているかでほぼ決まります。価格が高いだけの商品を並べるのではなく、「これも必要になる」「こちらの方が目的に合う」と納得できる提案に絞るのが基本です。
配置:どのページで何を出すか

置き場所ごとに、お客様の状態と向いている提案が違います。全体を一枚の地図として先に把握したい場合は、客単価を上げるレコメンド配置マップ と 客単価を伸ばす4つのレコメンド配置 から読むと全体がつかめます。
商品ページ(PDP)
商品を比較・検討している段階です。「似た商品」で選択肢を見せるか、「一緒に買われている商品」でセット買いを促すのが定番です。商品ページは表示回数が多いので、最初の1枠はここに置くのがおすすめです。
- 類似商品を置く手順:商品詳細にAI類似商品レコメンドを置く
- ブロック設計の原則:「関連商品」ブロックを成功させる5原則
- アパレルなどでコーディネートを提案する場合:Complete the Lookのチェックリスト
カート・カートドロワー
買う物がほぼ決まった段階なので、手頃な価格で「ついで買い」しやすいクロスセルが効きます。逆に高額なアップセルを出すと迷わせてしまい、カート落ちの原因になりかねません。送料無料ラインまでの差額を埋める商品を出すのも効果的です。
- 設計の考え方:カート画面でクロスセルを効かせる実装と設計
- 設定手順:カートにアップセルを置く手順(テーマアプリ拡張)
- 送料無料バーとの組み合わせ:バンドル割引と送料無料バーを両立させる
サンキューページ・注文状況ページ
購入直後は満足度が高く、次の買い物の提案を受け入れやすいタイミングです。今回買った商品の消耗品や関連アイテムを見せて、次回の購入のきっかけを作ります。
トップページ・コレクションページ
目的がまだ決まっていないお客様が多いページです。人気ランキングや、再訪したお客様には最近見た商品を出して、探す手間を減らします。
メール
サイトを離れたお客様に、カゴ落ちメールや購入後のフォローメールでおすすめ商品を届けます。
スマートフォンは画面が狭いため、同じ配置でもPCより表示数を減らすなどの調整が必要です。詳しくは モバイルで売上を落とさないレコメンド配置 を参照してください。
ロジック:何を基準におすすめを選ぶか

同じ「おすすめ商品」でも、選び方(ロジック)によって向いている場面が変わります。代表的なものは次のとおりです。
- よく一緒に買われる/この商品を買った人はこちらも買っています:購入データからセット買いの組み合わせを見つけます。クロスセルの基本です。→ 協調フィルタでクロスセルを高精度にする方法
- 類似アイテム(AI):商品名や説明文の近さで似た商品を探します。購入データがない新商品でもすぐに使えます。→ 協調フィルタリングとAI類似商品の違い
- カートクロスセル:カートの中身全体を見て、一緒に使う商品を提案します。→ カートクロスセルのロジック解説
- 人気ランキング/ベストセラー:個人の行動データがなくても出せるので、トップページやコレクションの初期設定に向いています。→ アクセスランキングと購入ランキングの使い分け
閲覧データと購入データのどちらを基準にするかで迷ったら、閲覧協調と購入協調はどちらを先に使うべきか が判断の目安になります。
商品数や注文数がまだ少ないストアでは、購入データを使うロジックが十分に働きません。その場合は 小規模カタログのコールドスタート対策 の順番で始めると、データが貯まるまでの間も空の枠を出さずに済みます。
どのロジックが合うか分からない場合は、複数のロジックを試しながらクリック率の高いものに自動で寄せていく「AI自動最適化」を使う方法もあります。始め方は AI自動最適化の始め方 に、全ロジックの一覧は Shopify レコメンドロジック 11 選 にまとめています。
同じページに複数のブロックを置くときは、提案が重ならないように役割を分けます。→ 同一ページに複数ロジックを置くときの優先順位
特集ページのように見せたい商品が決まっている場所まで自動化する必要はありません。手動とAIの分担は AIレコメンドと手動キュレーションの使い分け を参照してください。
やりすぎを防ぐ:出してはいけない商品を外す
アップセル・クロスセルで信頼を落とす典型は、在庫切れの商品、ギフトカード、サンプル品などがおすすめに混ざることです。導入した最初の週に、除外ルールを決めておきましょう。
セールやキャンペーンの期間は、売りたい商品と自動のおすすめがぶつかりやすくなります。期間中の運用は シーズンセール期間のレコメンド運用手順 を参考にしてください。
カゴ落ちへの対応
カートに入れたまま離脱したお客様には、新しい商品を勧めるより、カートに入れた商品を思い出してもらう方が効果的です。サイト内の表示とメールを組み合わせて回収します。
- サイト内の改善:カート落ち対策:レコメンドとチェックアウトUX
- メールとサンキューページでの回収:カゴ落ち対策レコメンドの出し方
- 施策の全体像:カート放棄を減らす7つの施策
計測:週に一度、3つの数字を見る
設置して終わりにせず、週に一度だけ数字を確認します。最初に見るのは次の3つで十分です。
- 表示回数:ブロックが実際に見られているか。少ない場合は位置が下すぎる可能性があります。
- クリック率:提案内容が合っているか。低い場合はロジックや表示数を見直します。
- カート追加・購入:クリックが売上につながっているか。
見方と改善の手順は レコメンド計測の見方:週次で改善する手順 と 週次アナリティクスの見方(CTR・CVR・購入寄与) にまとめています。
アプリの選び方
テーマの標準機能でも関連商品は出せますが、カートやサンキューページへの配置、ロジックの選択、計測まで行うならアプリを使う方が早く確実です。標準機能との違いは Shopify 関連商品とレコメンドアプリの違い を参照してください。
アプリを比べるときは、置ける場所の数、ロジックの種類、料金体系(従量課金の有無)、テーマコードの編集が必要かどうかを確認します。
最初の2週間の進め方
ここまでの内容を、導入直後の2週間の手順に落とすと次のようになります。
- 1日目:商品ページに「よく一緒に買われる」か「類似アイテム(AI)」を1枠、カートに「カートクロスセル」を1枠置く。
- 同じ週のうちに:在庫切れ・ギフトカード・サンプル品をおすすめから外す。
- 1週間後:表示回数とクリック率を確認する。表示回数が少ない枠は、ページ内の位置を上げる。
- 2週間後:クリック率が低い枠はロジックを入れ替えるか、AI自動最適化に切り替える。サンキューページやメールへの追加はここから始める。
一度に全部を置くより、2枠から始めて数字を見ながら広げる方が、どの変更が効いたのか分かりやすくなります。
RecoBoostで始める場合
RecoBoostは、このガイドで紹介した配置とロジックを1つのアプリで扱えるShopifyアプリです。
- 商品ページ、カート・カートドロワー、サンキュー・注文状況ページにおすすめを表示できます(メールへの表示は有料プラン)。
- 11種類のロジックから選べ、迷った場合はAI自動最適化に任せられます。
- テーマエディタでブロックを追加するだけで、テーマコードの編集は不要です。
- 商品数250点までは無料プランで使えます。有料プランは30日間の無料体験つきで、従量課金はありません。
まずは商品ページに1枠、カートに1枠を置き、1〜2週間後に上の3つの数字を確認するところから始めてみてください。
